『一生のお願い、聞いてよ。』
あたしはケータイを開いてメールを勇治に見せた。
<昨日は楽しかったね!今度はホテル行こうね♪>
<今から会える?>
<次はえっちはなしでデートしよう♪>
<今から暴走行くけどくるかー?>
<りょうちゃんの為にタバコ1カートン買っておいたからまたおいで♪>
勇治はメールを何通も見ていくうちに、顔が険しくなっていった。
「これがあたしなの、わかった?」
『……………』
「勇治?意外で声も出ない?(笑)」
勇治はキッとあたしをにらんだ。
『やめろよ!こんなの!!』
「え?」
『大人しくもないし頭も良くないし真面目じゃなくても、なんでもいいよ!でも、これは違うだろ!!』
「…………」
勇治が怒鳴るのを初めて見たあたしは、声がでなかった。
勇治も、怒るんだ。
いつも笑って、周りを笑わせてる勇治しか知らなかった。
『なんなんだよ!何があったんだよ!夏休み前まで普通だったじゃん!あれも嘘だったのかもしんねぇけど、少なくとも俺の知ってるりょうはこんなことしてなかったはずだ!なんでだよ!いつからこんなことしてんだよ!!』
勇治の怒鳴り声に押された。
「夏休み中旬…くらいかな…」
『何かあったんだろ?!話せよ!』
「な、何もないよ!」
『また嘘つくのかよ!俺ら友達じゃねぇのかよ?!』
「友達?」
『友達だろ?!』
勇治は必死になってあたしの両肩をガシッとつかんだ。
勇治の連絡先も知らない。
学校でも挨拶する程度。
それって、友達?
っていうか、勇治はあたしのこと友達って思ってくれてたの?
「あたし…」