はじまりは政略結婚
「うん、約束する。ごめんね……」

「いや、由香が謝ることじゃないよ。無理やり政略結婚なんて話を持ってきて、前向きに考えてくれるだけでも嬉しいから」

それは智紀の想いに、打算やウソはないと思っているから。

だけど、モヤモヤした疑問を解決しないままだと、海里の時みたいな切ない恋に変わってしまいそうで怖い。

そんなことを考えている間にも料理が運ばれてきて、魚介類のパスタやサラダ、それにオリーブオイルいためを堪能した。

「本当に静かで落ち着くな。由香は海が好きなのか?」

窓の外を見つめながら、智紀がポツリと呟く。

「夏の海は好きかな? 私ね、暖かい場所が好きなの。季節なら、春と夏。だから自然とそういう季節を連想させるものが好き」

私も窓に目をやりながら、太陽にキラキラと反射する水面に目を細める。

「なるほどな。覚えとく。じゃあ、この後は海でも見るか? それとも、どこか行きたい場所ある?」

「そうね……。この先をもう少し走ったら、こじんまりとはしてるけど、海水浴場があるの。そこに行ってみない? いかにも地元って感じのお店とかあって、落ち着く雰囲気よ」
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