はじまりは政略結婚
とはいえ、里奈さんや涼子さんのことを聞きたいなら、海里のことも話さないとフェアじゃない気がする。

だけど、どうやって話せばいいんだろう。

改まって、過去の話をするのって、本当に難しい。

それに、今日みたいな日に話すのも気が引ける。

「この道を真っ直ぐ行けばいいのか?」

考えごとをしていると、智紀の声で我に返った。

「うん、そう。このまま、道なりに行けばすぐよ」

海岸沿いを走っていくと、反対側には山が見えてくる。

半分以上は岩肌で舗装された山だけれど、その裾野に小さな個人店がバラパラと建っているのだった。

「すごいな。少し走っただけで、まるで別世界だ」

いつもはテレビ局という華やかな場所にいる智紀は、人もまばらな景色にア然としていた。

「ね? すごいでしょ? まるで、小さな町みたいで」
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