はじまりは政略結婚
それから一時間ほどして、パーティーは終了した。

ゲストの人たちは、みんな満足そうにしていて、見送る為に並んだ私と智紀に祝福の言葉をかけてくれた。

女性陣からは、相手が智紀なのを羨ましがられたけれど、出来ることなら変わって欲しい。

そんな心の本音を抑えて、笑顔を浮かべている時間は、本当に苦痛だった……。

「つ、疲れた……」

さっきまでの盛り上がりが嘘のように、広間は静まり返っている。

片付けが30分後に入るらしく、それまでは私たち五人だけだ。

ぐったりと近くにあったイスに座り込むと、嶋谷社長が声をかけてきた。

「本当にビックリさせてごめんね、由香ちゃん」
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