はじまりは政略結婚
「お兄ちゃんに涼子さん⁉︎ 一体、いつからいたの?」

恥ずかしさで顔を赤らめる私とは違い、智紀はまったく動揺していない。

抱き合っている姿を見られて恥ずかしい気持ちと共に、涼子さんの反応が気になって、彼女にチラッと視線を向けた。

だけど、涼子さんはニコニコと笑顔を浮かべ、兄に「ただでさえ暑いのに、ますます暑くなったわね」と言っている。

いったい、海里から見せられた写真を、どう捉えたらいいのだろう。

兄の前だから、なんでもない振りをしているのか、涼子さんの気持ちがさっぱり分からない。

「開放的なビーチだろ? 祐也たちも、ふたりでゆっくりすればいいよ」

智紀も、まるで涼子さんを意識する感じはなく、むしろ笑い合っている。

こんな風に悶々と考えているのは、私だけなのか……。

「それより智紀、今日はお招きありがとう。由香とのラブラブな時間を邪魔して悪いけど、さっそく本題に取りかからないか?」

兄は茶目っ気のある言い方をしているけれど、目は全然笑っていない。

「本題って?」

誰に尋ねたわけでもなく聞くと、涼子さんが笑みを浮かべたまま答えてくれた。

「首脳会談よ」
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