はじまりは政略結婚
「よし! じゃあ、別荘に行ってみようか? 由香ちゃんは、今夜は智紀専用の部屋だろうから」

「そんなものまであるんですか……」

「うん、面白いでしょ? 海を眺められる素敵な部屋よ」

軽やかな足取りで、別荘へ向かう涼子さんの背中を見ながら、嫉妬で頭が変になりそうだ。

なんで、そんなに詳しく知っているんだろう。

しかも、智紀専用の部屋からの眺めまで……。

私なんて、今日初めて来たばかりなのに、彼女は何度ここを訪れているのか。

そんなことを考えながら涼子さんについていくと、たしかに側には小さな建物がある。

同じプロヴァンス風の小さな平屋建てだ。

どうやら、ここで『首脳会談』が開かれているらしい。

その建物を横目に、立派な別荘の方へ入ると、一番に螺旋階段が飛び込んできた。
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