3秒小説
さんびゃくきゅう


雨が降っていた。いろんなひとが、傘をさして歩く中、少しはなれた男のひとにだけ、


血の雨が降っていた。


血の雨は、わたしにしか見えないのか。


そのひとは、大きな紙袋を大事そうに抱えて、まわりを警戒していた。


< 309 / 1,000 >

この作品をシェア

pagetop