ずっと大好き…この恋は永遠…
『会えてうれしかったわ〜。
よかったらまたいらっしゃいね』
春子の明るい笑顔に送り出されて、みのりが病室を後にした。
同室の4人とも楽しくやっているようで、春子の元気な姿に安堵のため息がもれる。
エレベーターで1階ロビーまで降りながら、一瞬、悠太の顔が頭に浮かんだ。
自分と同じ年なのに、1人で春子を支える悠太が…
痛々しくて可哀想で…
だけど、同情されるのが嫌いだった悠太を思い出して、慌ててそんな考えを追い出した。
春子に会いたくて来たはずなのに、思うのは悠太の事ばかりで、思えば思うほど
切なく悲しくなる。
どうもしてあげられないのに…
こんな事思っても仕方ないのに…
愛情とも友情とも…同情とも違うような…
ひどく苦しい感情が浮かび上がる。
風化した想いが、乾いた想いが、気持ちの潤いを奪っていく。
カラカラになった過去の想いが転がって、胸が痛い。
集めた潤いを含んだ想いは重みを増して沈んでいく。
ゆっくり…
ゆっくり…
一番奥まで、時間をかけて沈んでいく。
それがまた苦しい…
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