恋するマジックアワー


「風呂上りってアレだな。 最強?」


そう言って洸さんは、指先でわたしの髪を弄ぶ。


ほんとに

よくわからない。



冷たい事言って、突き放す事だってある。

かと思えば、こんなふうに人懐っこい笑顔浮かべて、わたしとの距離を一気に縮める。


女子高生は苦手って言ってたよね?

わたしも……洸さんにとって苦手な部類でしょ?
それとも、わたしは……他の人と違う?

ねえ、洸さん。

洸さんは……ほんとはどんな人?

どれがほんとの顔なの?



トクン

トクン



この人の事、気になる。そんなの絶対違うと思ってた。
間違ってるって。


でもきっと

そう思った時点で、始まってた。



「……。洸さんって、彼女いるの?」

「彼女?」



はっ!

いきなりだったかな。

ボンって感じで顔が火照る。


でも、でもわたし

洸さんの事、知りたい。

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