だから、恋なんて。

「先生、お疲れさん。今日のオペも早かったねぇ」

「そうなんですよ~。美咲さんに会うために頑張っちゃいました」

「そうなんだ。じゃあこれから先生のオペ日は乙部に勤務してもらわないといけないなぁ」

「あ、頼めます?それなら僕、五割増しで頑張っちゃいますんで」

「…変なこと言わないでください」

勝手に二人で話を進めていて、口を挟まないとこのチャラ医者の言うとおりになってしまいそうだ。

隣のチャラ医者は無視して、その向こうに腕を組んで立っている師長を睨む。

「やっぱダメか?」

「当たり前です。そんなことで患者さんのオペ時間左右する医者なんて最悪です」

「……だってよ、先生。ま、頑張って」

外国人みたいに肩をすくめた師長は、憐みのこもった視線をチャラ医者に向けると、くるりと踵をかえして他のスタッフのほうに様子を見に行ってしまう。

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