だから、恋なんて。
次の日の朝、昨夜遅く帰ってきたはずの千鶴に起こされて、普通に美味しい朝食を食べて仕事に向かうと。
「あ、来ましたよっ」
「きゃ~、先生、なんて言うんですか」
「頑張れよ、先生!」
いつもと違う空気感に包まれた、異様な光景が私を待っていた。
チャラ医者を囲むようにして、看護師や師長だけでなく、何故か点滴台を持った患者さんまで立っている。
それらの視線が、私がICUに入った途端に一斉に注がれる。
「…おはよう、ございます」
軽く頭を下げて挨拶しても、返答する人は一人もいなくて。
面白そうに見守る視線が、私とチャラ医者を行き来する。