だから、恋なんて。
それは、嫌でもあのチャラ医者と顔を合わさなければならないってことで。
他のスタッフはもう仕事に取り掛かっているし、今さら担当は変えられないとわかっている。
それでもなんとなく気乗りしまいまま仕事に取り掛かると、いつも重役出勤の榊が一番最後にフロアに現れる。
「美咲さん、どうしたんです?その顔、ひどいですよ」
「いや、なんか朝から疲れることあってさ」
「ふぅ~ん」
聞いてくるわりに興味のなさそうな榊だったけど、お昼前になって少し手が空いたところで近くに寄ってきた。
「結城先生のモノになったんです?」
「……誰に聞いたの」
「患者さんですよ」
今にも吹き出しそうな榊は、昨日あのチャラ医者を敵対視してたようにも思うんだけど。
それが何故だか今日はうって変わって、いいんじゃないですか?とか言い出してる。