だから、恋なんて。

「鈴木さん、今朝の僕の生告白見ませんでした?」

「あ?便所いってたかな?」

どう考えても自分の担当とは違うようなおじさんの名前を知っていることに驚く。

チラッとベッドネームを見ると、『整形外科 鈴木卓夫様』となっている。

やっぱり違う科だよね。なんで名前知ってるんだろう。救急で診たのかな。

「あ~、残念ですね。韓流ドラマより見応えありましたよ」

「ちょっと!」

「そりゃあ惜しかったな。よし、じゃあそのねーちゃんと先生の前途を祝して、退院したら飲みにでも行くか」

「また、飲みに行く話ですか?」

「だってよ、それしか楽しみないじゃねえか」

今さら割り込めない雰囲気の二人に、どうしても訂正だけはしておきたくて顔を出すけれど。

「私、」
「美咲さん、患者さんの指示簿変更しておきましたから、チェックお願いします」

やんわりと笑いながらも、やっぱりそのおじさんから私を隠す医者。

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