だから、恋なんて。

考えながら廊下の角を曲がると、誰かとぶつかりそうになって咄嗟に頭を下げる。

「ごめんなさ…」

「あ、美咲さん!」

「……なに」

「ん、お疲れ様」

声を聞いて顔を上げると、目の前にぐっと差し出されるいちごミルク。

すでに自分の分はストローを挿して飲んでいるチャラ医者。

「あ、りがと」

条件反射で出されたものを受け取る。

ってか、なんでいるの?さっきICUで皆につかまってたじゃない。最短ルートでロッカーまで来たはずなのに。

怪しんでいるのが私の表情から読み取れたのか、ストローを噛んだままクスッと笑う。

「もうそろそろかと思って、待ち伏せ」

「へぇ…ご苦労様」

「いーえ、こちらこそ。こうやって美咲さんの顔見られただけで充電できたし」

「…あ、そう」
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