だから、恋なんて。
「で、何が引っかかってるわけ?」
「うっ……」
向かいに座る千鶴の視線が痛い。
仕事から帰りながら打ったメールの返事で、直人さんが出張中だからという情報を得て、これ幸いと夕飯時に千鶴の家におじゃました。
しばらくぶりの千鶴の家は、相変わらず綺麗に整頓されて、家具とか装飾品のセンスがいちいちオシャレ。
そんな中でテーブルに並ぶのは千鶴特製の梅酒ロックと韓国海苔、サキイカなんかのいわゆるおつまみ。
定食屋さんみたいな焼き魚メインのさっぱりとした夕食を食べてから、グダグダとあったことを話していた。
千鶴と直人さんのことはストレートに聞きにくくて、最近の出来事なんかをポツポツと打ち明ける。
「美咲が医者全般信用できないってのはわかってる。だけど、もういいんじゃない?楽になっても」
優しく微笑んでくれる千鶴と視線を交わして、ふっと心が軽くなったような気がする。