だから、恋なんて。

もう長い付き合いで、あの噂だけじゃなくてそれこそどうでもいいようなことを語り合ってきて、親よりも私のことを知っているだろう千鶴。

千鶴が結婚して、お互いが独身だった頃のようにこうやってグダグダ飲んで語り合う時間はほとんどなくなったけれど。

「美咲の医者嫌いをぶった切ってくれそうなんでしょ?」

「そんな、大きくひっくるめないでよ。医者が嫌なんじゃなくて、たまたま嫌だなと思うヤツが医者なのよ」

「…結論一緒でしょ」

「しょうがないじゃない。医者以外の職種と出会う事少ないし」

ぷーっと頬を膨らますと「カワイクナイ…」と更に飲まされる。


そう。もう可愛い仕草も態度も、言葉ですら自分には似合わないと思ってる。

だから、ホントは、どうしていいのかわからない。

『楽になれ』って千鶴は言う。

「幸せになる」じゃなくて「楽になる」。

それが、この歳になった自分の目指す在り方なの……?

そんなに窮屈そうにみえるのだろうか。


一人で暮らして自由にしているのに、もっと楽になれ?
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