だから、恋なんて。

「でもね、例えば、なにか嫌なことがあったとして。ビールでも飲んでさっさと寝ちゃおうって一人だったら思うかもしれないでしょ?それが、多少寝るのが遅くなっちゃったとしても、迷惑をかけてもいい存在の人に愚痴ってゆったりお酒飲んで、最終的に笑えたりスッキリしたりできたとしたら、それもいいのかもしれない」

口元にゆったりとした笑みを浮かべている千鶴をぼんやり見ていると、何故だかあの日の直人さんを思い出す。


『千鶴をよろしくお願いします』って家出した千鶴のために頭を下げる直人さん。

迷惑をかけてもいい存在。

それが千鶴にとっては直人さんで、きっと直人さんもそう思っている。

私が両親にしか感じられない思いを、二人は共有していて。


素直に、本当に心の底から羨ましいと思った。
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