だから、恋なんて。
「そんな顔しなくてもいいじゃん?俺らただの顔見知りってわけじゃないんだし。あ、なんなら俺がまた相手しよ
うか?」

「はぁっ?何言って……っていうか、別に相手してもらった覚えない。余計なお世話だし、アンタに関係ない」

心で思っていたことが、抑えきれずにボロボロと零れ出す。

「ハハッ、なに、誰かいるんだ?」

「…別に。あの、今は先生の手をお借りしなくても、皆さん落ち着いてますので…」

私をからかいながら、パソコン画面を見てマウスをカチカチと動かす。

とにかく早く出ていってほしくてなんとか自分を取り戻す。

「専門がなにかよく覚えてませんけど、先生って内科ですよね。今はオペ後の患者さんばかりで…」

「ふぅん」

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