だから、恋なんて。
興味なさげにスクロールしていたと思ったら、ふと手が止まる。
コイツと一緒にいるところなんて誰にも見られたくない。
早く交替してほしいような、まだ出てきてほしくないようなソワソワした気持ちに、チラチラと休憩室を伺う。
「あー、外科って言えば、アイツ今ここにいるんだっけ?」
「え?」
「結城って医者いない?」
「結城…」
「そ、結城拓巳」
それって、なんで……コイツが。
「あれ?この結城ってアイツのことじゃないの?」
すんなり返事をしない私と電子カルテ上に表示されている患者んさんの医師記録を見比べている。