だから、恋なんて。

見たことがない医者と新人さんが二人になろうとも、うまくフォローできそうにない。

そんな私の動揺はそっちのけで、会話を始める二人を尻目に、そそくさと手を洗ってから休憩室に入る。


言い表しようのない暗い気持ちで冷蔵庫から飲み物を取り出して一口口に含む。

別にいいじゃない。

チャラ医者が知ってたって、それでどう思って私に声をかけたって。

私とアイツはまだ何も始まってない。

アイツは……最初にどう言ってたっけ。

ううん、もうどっちでもいいのか。


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