山神様にお願い


 急に腕から力が抜けて、ガクンと姿勢が崩れた。

「あ」

 近寄る彼の顔から逃げるつもりが、私はいつの間にやら店長の下で寝転がった状態に。・・・・あら?何で??

 いつものあけすけで楽しそうな笑い方を、店長がした。

「・・・これは、襲ってもいいよってことだと解釈して――――――――」

 のおおおおおおおお~っ!!

「だっ・・・ダメです!違います、だって、腕に手が、・・でなくて、ええと、力が入らなくて―――――――」

 焦った私が慌ててそういうと、私の上で影を作りながら店長が笑う。

「シカ」

「へ」

「海で泳いでキスしたら、すごくしょっぱいって知ってる?」

 ・・・・し、知りません。ってか、知らなくていいです・・・。

 でも口に出せなかった。

 どんどん近づいてくる、店長の唇が私のそれを目指しているのは判っていた。

「・・・試してみる?」

 私は組み敷かれたような状態で、目をぎゅうっと瞑る。


 う、うわ――――――――――――



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