山神様にお願い
反射的に目を閉じたけど、頭の中は砂嵐の暴風雨だった。
うっっきゃあああああああああああああーっ!!!てててててて、店長が、わ、わ、私とキスしてますううううううー!!!
唇に感じる温かくて強引な柔らかさ。紛れもない、私は今久しぶりに男性にキスをされてるんだ、と気付くのに5秒ほどはかかったはずだ。
理解すると同時に全身が熱くなった。反射的に両手で店長の胸を押したけど、その手首はアッサリと封印されてしまう。
「ふっ・・・」
「――――――――」
その間にも有無を言わさない強引さで、店長のキスは深くなる。
唇を開けないでいたら噛み付かれた。そしてぐいぐいと舌が入り込む。呼吸が出来なくて苦しいのに、痺れるような感覚が頭の中に雪崩れ込んできて抵抗が出来なかった。
何何!?何だ、これ・・・・。これが、キス?だって、こんなの今まで―――――――――
絡まって、撫でて、蕩かす。はじめは頭の中で大パニックだった私も、その内に混乱すらも理解出来なくなる。
だって、気持ちよくって。食い込んだ手が痛いとか、唾液が伝って口周りがべたべただとか、全然気にならなかった。
ここが、職場であるという事実も忘れていた。それほどまでに強烈な力で、店長は私を大人の世界へと連れて行く。