山神様にお願い
私が一人で森の中を右往左往していると、ついに虎が目覚めてしまった。
「・・・・・何してんの」
「ひゃあっ!!」
いきなり足首をつかまれて、私は大声で叫ぶ。
振り返ると、うつ伏せになって片手で顎を支え、もう片手で私の足首を掴んだ店長が、こちらをじーっと見ていた。
「てっ・・・てててて、店長!・・・ええとお~・・・その~・・・私の下着、知りませんか?」
ん?と首を傾けて、夕波店長は欠伸を一つ。それから片手で目をごしごしと擦って言った。
「今、シカが穿いてるのは何なの?」
「パンツでなく、ブラ知りませんか!?」
私が自分の足首に巻きついた店長の手をひっぺがしながらそう言うと、ああ、と低い声が聞こえた。
「俺が持ってる」
「へっ!?」
にやりと微笑んだ店長が、うつ伏せ寝のままで、ごそごそと自分のズボンのポケットを探って、なんとそこから私のブラジャーを取り出した。
ぎょええええええ~!!
私は更に赤くなって(多分)店長ににじり寄った。
「か、かかかか、返してくださいっ!!」
「ならまず俺のTシャツ返すべきじゃなーい?」