山神様にお願い
そして、やっぱりベッドの上。
自分の部屋で寝ている時、妙に頭が冴えてしまって困るときがあるのだ。だって、そんな時には必ず影の店長が現れるから。
影の店長は私を抱きしめる。そして、あの長い指を私の体に這わせる。この1ヶ月ちょっとの間、生理中以外は頻繁に抱かれた色々なシーンを思い出してしまうのだ。
未経験のことを沢山した。抱かれる度に自分が理性を持たない獣になったようで、酷く私を困惑させる。だって、まさか自分があんな格好で態勢でゴニョゴニョゴニョ・・・。
小泉君と少しばかりしていた行為とは全然違った。何と言うか、もっと真剣で、きちがいじみていて、それでいて凄く優しい行為だと感じるのだ。
自分でうわー!と思って、掛け布団の中で悶えている。
それも、彼が作った大きな影響だった。もう、何てことしてくれるのよ!私は一人でぷんぷんと怒っている。
今日で、5日目。
文明の利器であるケータイを、夕波店長はあまり使わない。だからメールのやり取りだってほとんどないし、電話もかかってこなかった。
あ、そういえば、電話もない。そう気付くのが遅かったのは自分でも責められない。ケータイ電話をあまり使わないのは私も一緒だったからだ。
メールも女友達としかしないほどだ。それも、あっちから送ってくれることに返信をするだけ。自分ではケータイ電話は私の生活に必要ないのではないか、とまで思っていた。
一人暮らしをすることになったから、親がもたせてくれたのだ。小泉君は大学で会えたし、彼もあまりメールなんかはしない人だった。それも影響している。