山神様にお願い
「そう言って二人は笑った。私がそれにムカついていると、トラさんが言ったの。何てことないって風に、普通の声で」
――――――――どうせ賭けるなら、金じゃなくて命賭けな。
「え?って思った。あまりに普通の声だったから、何かの聞き間違えかって。でもそうじゃなかった。その時実はトラさんは切れていて、それで私が見ていたら、そのすぐ後に龍さんとタカさんが気を失って倒れた」
「は?」
「え?」
私とウマ君が同時に声を上げる。・・・気を失って倒れた?え、ええ?どこからそこに行き着いたの?あれ?私何か聞き逃した?
二人で混乱した顔をしてツルさんを見ていると、龍さんが隠れていたカウンターの中から姿を現して言った。
「じゃ、俺からも」
「龍さん!かくれんぼは終わりですか?」
「あ、そういえばいたんですね、忘れてました」
私達が驚いたので、嫌そうな顔をして彼はぶーぶー文句を言う。
「君たちね、人が作ったもの食べながらそれはないでしょ。こんなに存在感あるイケメンを無視するとかさ~」
「そんなことどうでもいいのよ。私も聞きたいわ、龍さん。あの時、ちょっと違う方向を見ていたら、バキって一回音がしただけで二人とも気を失っていたのは何で?」
ツルさんが首を傾げながら聞く。