山神様にお願い


 その間、母親は嘆いて呆れ、最後にはあんたの面倒は見れないって言っていた。泣くのにも、怒るのにも、絶望するのにも疲れたわ、って。だけど片山さんはそんな時も俺の話を聞いてくれたんだ。

 あなたは悪い子なんかじゃない、って。今は、色々やってみてるだけよ。大丈夫、また元に戻って、この世界を愛せるようになるから。そう言っていた。

 だから、高校生になる頃には落ち着いてきた。

 悪いことも散々した後で、もうこんなもんかな、的な状態になったらしい。目立つことに興味がなくなり、外見がマトモになった。そしてその頃、片山さんが離婚した。

 子供もおらず、色々を問題を抱えたダンナに、とばっちりを受けないようにって離婚を頼まれたらしい。

「とばっちり?」

 黙って聞いていたのに、ついまた私はそう聞いてしまった。

 パッと店長が目元を覆っていた手を離して私を見た。・・・・ああ~・・・邪魔しちゃった~!

「す、すみません・・・」

「別に謝らないでいいよ。とばっちりってのは・・・・片山さんのダンナさんて、極道なんだよね」

「へ?」

 ゴクドウ?ゴクドウって、何だ?まさか―――――――

 私の顔を見て、彼はそうだって頷く。

「極道。ヤクザなんだよ。それで、その当時組長含めて組の中がちょっと荒れてたんだ。それで副組長であった片山さんのダンナさんが、妻に被害があるといけないと思って、関係ない人にしようとしたんだな。離婚することで、赤の他人に戻れって」


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