山神様にお願い
そんなわけで昼食後、まずはリュウさんが輪から離脱した。言い訳としては「眠いから」。あの人は確かに眠そうではあったし運動前も後も酒を入れていたけれど、普段ボクシングをしているのに疲れるのが早すぎた。だから何か思惑があるはず。俺はそれに「お?」と思った。そうしたら次はツルさんが「シャワーを浴びに行く」という。これも嘘ではないだろうけど、やっぱり唐突で、何かの企みが見えるようだった。だから俺も行動することにした。理由はこれ「ニコチン摂取」。
多分、シカさんと店長を二人にしようとしているのだろうって思ったのだ。トラさんはシカさんに目をつけているみたいだし、シカさんは失恋したところだ。つまり、フリーになったってこと。
山神のトラとシカさんを二人にするのはどうかな~って考えはした。だけど一応大人だし、シカさんも嫌なら嫌っていうだろう。店長も無理強いはしない・・・はず。うーん、自信はないけれど(だってトラさんだ)多分。
ツルさんを追って海の家へと歩いて行った。
タバコは20歳になったからということで親父の許しが出たので、吸うようになった。最初は苦くて不味くて、何でこんなものに喜ぶのだろうって思っていたけれど、今では平気で吸う。ビールも一緒だよね。最初は何でこんな不味いの、って思った。だけど両方今では好きになっている。
付き合っている彼女は喜ばないから大学では吸わないようにしているけれど、バイトでは疲れもあって、つい手を出してしまうのだった。仕事終わりの一服、至福の時間。
ぼーっとしながらポーチに腰かけてマイセラをふかしていると、ツルさんがタオルで髪を拭きながら歩いてきて隣に坐った。
「シャワー気持ち良かったわよ、ウマ君もどお?」
「いえ、僕は。また海に入るつもりですし」