二重人格神様~金と碧の王~

それは…好き、なのかな。で、でも…私は海鈴さんの花嫁で、グレンさん花嫁ではない。

だれど、二人は一人なわけで…えっと…。

1人で黙々と考える私に、グレンくんは言う。

「あの…いのり?僕はどっちも好きでいいと思うよ?でも、最近…海鈴お兄様…出てこないと思わない?その、グレンお兄様ばかりで…」


「え?あ、そうだね…確かに、海鈴さんよりグレンさんに会う機会が多いかも」


あの、夜会付近から、そうだ。言われて初めて気付いた。

「それ…あまり、よくないことだよ?」


ベッドから起き上がり、グレン君は脚を抱え座る。


「誰もこの事を口にしないけれど、お兄様の主人格は海鈴お兄様だもん。本来は裏であるグレン様が頻繁にでてきちゃいけない…そう、僕は小さな時から言われてきた」


グレン…くん?少し、様子が可笑しい。起き上がり、グレンくんの前に移動すると、その瞳が私をみる。


「海鈴お兄様…消えちゃうかもしれない。グレンお兄様の力に飲み込まれて」


「え…どういうこと?」



「海鈴お兄様は、人間の願いを叶えて力を維持する。それは僕たちの一族は二つの人格を宿すからなんだ。力が二人分必要なんだもん。叶えて蓄えなくては維持できない。海鈴お兄様、その力が今、とても弱っているみたい。だから、裏であるグレンお兄様が表にいるんだ」


「…」

それは聞いた。でも、その力は私に触れると不思議と力を貰えるって、海鈴さんもグレンさんも言っていたはず。それなのに、弱っているの?どうして?

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