二重人格神様~金と碧の王~

言葉を噤むわたしにグレンくんは続ける。

「僕、まだ半人前の神様だけどわかるよ。グレンお兄様、海鈴お兄様より力が付いてきてる。その力の源は…いのりだと思う」

「……」


「だから、その…グレンお兄様が力をつけると、海鈴お兄様の力が負けるそうなると、いなくなちゃう…そんなの嫌だ。今ならまだ間に合うから…お願い…いのり…海鈴お兄さまを消さないで…」


涙を浮かべグレンくんは私にしがみつく。その手は小刻みに震えている。


そ、そんな。そんな話は始めて聞いた。だって、海鈴さんもグレンさんと仲良くしてって言っていたのに?


それをわかって言っていたの?

「……」


黙り込む私にグレンくんは涙を腕でふき、みあげる。


「いのり?」

「あ、う、うん?」

「あの、僕…いけないこと言ったかなぁ?みんな、この事言わなかったし…その、ごめんなさい」

「そ、そんなことないよ」


グレン君の身体を引き寄せ、そっと抱きしめる。すると、嬉しそうに笑みをこぼし私の服を握り目を閉じた。


その寝顔をみながら考えた。グレンさんと海鈴さんのこと。


そうだよね…いくら二人が同じだからと言って、このままにしたら海鈴さんがいなくなってしまうなんて嫌だ。


そもそも、なんで海鈴さんは言ってくれなかったの?グレンさんと仲良くなれたのは嬉しい。でも、そのことで海鈴さんがいなくなるのはいやだ。

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