二重人格神様~金と碧の王~

もし…私が海鈴さんの事でグレンさんと距離をおいたら…どんな顔をするんだろう。

「……」

想像するだけで、胸が痛い。わたし…どうしたら、いいの…かな…


歩く足が止まり、そのまま窓越しに月を眺める。美しい月を食い入るように見つめていると、正面から足音が聞こえる。


誰か、きた?


暗闇が纏うその先を見つめれば、誰かがいる。目を凝らし見れば、そこには彼がいた。


「…あ」


腕を組み、口元を引き締めている。表情は少し不機嫌なのか眉間には皺がある。グレンさんだ。この月と同じ金色の瞳。


「グレンさん、どうかしました…?」


近寄り見上げれば組んでいた手を離し私を見下ろす。


「部屋にいないから、迎えにきた」

「あ…ご、ごめんなさい」


そうだよね。いつもだと、部屋にいるから…。でも、迎えに来てくれたんだ…あのグレンさんが。


「謝らなくていい。グレンは、寝たか?」

「はい」

「そうか…行くぞ」


自然と伸ばされた手。その手を迷うことなく、重ねると、そっと握り返してくれる。

歩く速さも、私の歩幅に合わせて歩く。その姿をみて、私の心は揺れていた。

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