二重人格神様~金と碧の王~

「いのり…大丈夫か?顔…酷い。気分が悪いなら」

「だ、大丈夫ですよ…本当に」

「俺に言えないことか?」


顔を覗きこまれ、私は思わず顔を反らす。そんな顔で見ないで…苦しくなっちゃうから…。繋いだ手を離し、グレンさんに背をむけ窓から月を眺め、手を伸ばす


「ぐ、グレンさん見て…月が綺麗ですね。手で掴めそう」


あからさまだっただろうか。話を逸らした私にグレンさんは近寄り、月に向かって伸ばした手に自身の手を重ねた。

「…え」

ギュウと握られて、振り向いた私の顎を掴み啄むようなキスが落ちる。


「グレン…さん?」

「好きだ」

「え…あ、は、はい…え、えっと…その」

どうしたの?突然…

動揺してしまい、その瞳を見るとフッとグレンさんは笑う。


「俺に言えない事でも言って欲しい。この前言っただろ?信じてやるって。それなら、お前も俺を信じろ。お前が俺を信じてくれれば、俺はいのりをもっと信じる。信じれば信じるほど、いのりが愛しく見えて仕方がない。だから、迷うことがあるなら言え。どんな事でも、俺は答えを出す。そういう風に思うのはお前だけだ。だって俺は、いのりが…その…」

「…そ、その?」


「あ、い…」

「あい…?」

「し…」

「……」

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