二重人格神様~金と碧の王~

「グレンさん…?」

「関係性は知らないが、長くとどまり過ぎて、海鈴の力が弱っているのもあると思う。だから、当分は出てこない。アイツに触らせるのは不愉快だが…力を得るためなら、仕方がない。あ、いや…でも、俺には変わりないのか…いや、それはなにか違うような…」


途中から独り言のように話す彼に、私は寄り添った。ビクリと身体が震え、振り向く。


「な、なんだよ…」

「いえ…しばらく会えないのなら、充電しようかと思って…」


なんて、本当は「いやだ」って言いたいのを隠したいだけ。だって、グレンさんが出した答えに反論は出来ない。このままでは、海鈴さんが危ない、それは嫌だ。でも、グレンさんと会えなくなるのは嫌だ。


そんな、我儘は言えない。零れそうになる涙を私はグッと抑える。


少しだけだ。きっと。また、グレンさんに会える、よね。だから、大丈夫。信じて、待つしかない。


「私のこと、忘れないでくださいよ」


「忘れるわけ、ないだろう。言っておくが、俺は海鈴を通してお前を見れるんだ。忘れるわけがない。むしろ、いのりこそ忘れるなよ」


「忘れませんよ!好き…ですから」


「…え?…あ、そ、そう…か…って、そういう事を言うな!」


ゴソゴソと音を立て私の手を握る。そのまま引き寄せ。抱きしめられる。


あたたかい、グレンさんの体温。少し乱暴で力強い抱きかた。


やっぱり、少し離れるだけでも寂しいよ。グレンさんと同じ時間を過ごし過ぎたせいだ。


大丈夫って、我慢したはずなのに、やはり寂しさがこみ上げてくる。耐えられないほどの、切なさに涙が零れた。

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