二重人格神様~金と碧の王~


「グレン様…」

「あぁ」

もう、老人の言葉は耳にはいってないのだろう。真っ直ぐにグレンさんをみつめ涙を抑えいう。


「海鈴様は…本当にそれを望んでいまして?」


「あいつは俺だ。痛いくらい、よく、わかっている」


「私…自由に生きていいですの?」


「あぁ」


「それなら…もう、ここにいたくないっ」


ポロッと頬に涙が伝った。その涙はなんだかとても綺麗に見えた。


今までの、憎悪の混じった涙じゃない…ホッとしたような…肩の荷が下りた。そんな涙にみえた。


「ルーテル様、何をいっておりますか!?我々は、あなた様を王の伴侶にするべく生きてきたのですぞ!今更、なにが自由でありますか!」


「もう、やめて…」


「いいえ、黙っているわけにはいきません!ルーテル様がやらないのなら、わたくしめが!!」


そう叫ぶと老人はおもむろに剣を掴み、その矛先を私達にむけ走ってくる。


「や、やめなさい!!私の命令に逆らう気!?」


ルーテルさんの怒鳴り声など老人には足を止める。悔しそうに顔をゆがめた。その顔はとても怖く、憎悪の塊のよう。


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