二重人格神様~金と碧の王~
「いのり…」
なんか、もう…本当に駄目だ…。いけないと分かっていながらも、重くなる瞼を閉じた。
その時、後ろで私達をあざ笑う老人の声が響く。
「これは、これは…なんて好都合じゃ。グレン様を、そう思ったが…元凶である花嫁がいなくなれば、それも幸い。人間などいなくなってしまえばいいのだ!はっ、はははは!」
「…っ」
「貴様…誰に向かって口を利いているつもりだ」
「それは無論…グレン様であるますぞ?はは!まがい物同士、いいきみじゃ!貴様など、やはりいなければ良かったのだ!そこの人間同様な!」
なん、です…って?
遠のいていく意識のなか、その言葉だけは不思議とはっきり鮮明に聞こえた。
さっきから…グレンさんに…何を言って、いるの?いなければ良かった?まがい、もの?
ふざけ…ないで、よ。激痛が身体中を襲うのに、脳内はいかりで満ちていた。
なにも、知らないくせに…グレンさん思いとか、考えとか、彼を思う皆の気持ちも…知らないくせに…!
「勝手なこと…いわ、な、いで!グレンさんの事…なにも知らないくせにっ!」
睨みながら呟いた言葉に老人は面白おかしく答える。
「おや?そんな痛手を負っているのに、何か反論するつもりかの?もう、動けまい…よかろう、そのまま剣を引き抜いて次はグレン様の番じゃ」
次は、グレンさんを?そんな、こと…
「させない…」
「え…いの、り?」
「そんな事…絶対にさせないんだから!」
そう、叫んだ瞬間だった。
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