二重人格神様~金と碧の王~
「おい、感動の再会も良いが…それ以上に、今は大事な事がある。お前はさがっていろ」
まるで水をさすかのように入って来た言葉にグレンの表情はまた険しく変わる。
声で分かったのだろう。敵意むき出しのグレンの前に姿を現したのは、シャカだった。
「シャカ?なんで…貴様とじじいがここにいるんだ?」
どうして、こんなにグレンを混乱させるのだろう。
様々な事で混乱し、やっとの事で平常心を保つグレンにシャカは答える事なく金色の髪の毛を靡かせ、グレンに近寄る。そして視線をいのりに移す。
「まったく、なんて事だ…ただ様子を影から伺うつもりが…まさか、このような事になるとは」
見下ろすシャカの目はとても、冷たい。顔は無表情ながらも怒りを含んだ雰囲気にグレンは息をのんだ。
「なんのようだ…今は、お前に付き合っている暇はない。いのりの事が最優先だ。帰ろよ」
「グレン様、言葉を慎みください。シャカ様の御前です」
「いい」
なだめる男をシャカは片手で制す。その姿に男は押し黙る。にらみ合いが続くなか、シャカは憐れむような顔で硬く目を閉じるいのりの髪の毛を手で掬う。
「かわいそうな子だ…無理矢理力を解放されたんだ…さぞ、痛かっただろう」
どういう意味だ?そうグレンは思う。だが、ハッと我に返りその腕でいのりを抱え立ち上がった。
「いのりに、触るな。こいつとどんな関係かしらないが、関係ない」
「関係ない?グレン、言ったはずだ…いのりにもしもの事があったら、許さないと…あの時の言葉を忘れたか」
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