二重人格神様~金と碧の王~


「特別、理由はないです。本当になんとなく。それに、海鈴さんも、一人のほうが、眠れますよ」


苦しい言い訳だけれど、傷付けない言い方はこれしか、見つからない。


「…いのり」


それなのに、落ち込んだようにしょんぼりする彼に私は思わず彼に近付き背中を触る。



「そ、そんな顔、しないでください。海鈴さんも、その方がいいかなって、思って」


「そんなこと、僕は一言も言ってないよ」


「それは、そうですけど…」


「だから、それは、絶対にダメだ」


手を掴まれ、そのまま、海鈴さんは私を抱き締める。離さない、隙間さえもないほどの、力強い抱擁。


「海鈴さん…」

「いいのかい?いのりがいなくなれば、他の子を呼んでしまうよ」

「それは…いやですっ」


海鈴さんの部屋に他の子がくるだなんて、考えられない。


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