二重人格神様~金と碧の王~
だって…だって…
「無理…だ…よ」
「え?」
「だって…なんと、な、く…わか…る…の」
なにが?と、声を低くして尋ねるグレンさんに私は言う。
「つぎ…目を…覚ます、こと…は…きっと…」
ない、から。最後までいえなかった言葉…グレンさんは分かっていた。目を細め、唇を噛みしめる彼は分かっていたと思う。
何も返さずに、ただ私を見つめ…彼は言った。
「だから、約束をするんだ。守るために、生きろ」
「無理…だよっ…やく…そ、く…なん…て、出来ない…っ」
「いのり」
「目をつぶると…恐いの…だから、ねむ…り、たく…ない…なのに、身体が…いう事、きか…なく、て…」
「……」
「もう、駄目…って、認め…たく、ない…本当は…もっと、傍にいたいっ」
溢れる涙を抑えるように、グレンさんから顔を反らす。握られた手を、離しそのまま顔を覆う。
声に出して泣きたかった。でも、そんな気力さえもうない。
消えていくこの灯火はあと少しだ。
「…いのり…」