二重人格神様~金と碧の王~
「……」
お互い、それ以上は何も言わなかった。いや、言えなかった。なにを言ったらいいのか、どうしたらいいのかも、分からない。
月が少し雲に隠れる。部屋を照らすのはベッドサイドにある小さなランプのみ。
沈黙と同時に光が揺れ、数十秒後に月明かりが部屋を照らす。
「いのり」
とても小さな声だったと思う。その声に引き寄せられるように振り向くと、ベッドが軋む音がする。
抵抗できない私の顎を掴み、ついばむような口付けを落とした。
「…え」
「お前がいなくなるって事は、俺らが他のヤツとこういう事をしてもいいのか?」
「…っ」
「抱いてもいいって事か?王として、一生伴侶を持たないなど許されない。いなくなって、親指加えて見ていられるのか?」
「…そん、な…」
どうして、どうして…そんな事を言うの?そんなの…
「イヤだろ。そんなの」
涙を流す私の上に跨り、そのまま見下ろす。私の答えなんて、分かっているくせに聞いてくるんだ。
「イヤなら、生きようとしろ。約束するんだ」
「…だって…自信が、ない…よ…全然…よく、ならない…し…約束、しても…まもれ…んっ」
また、顎を掴まれた。繰り返される口付けに涙が止まらない。