二重人格神様~金と碧の王~
「すぐに、来るから」

「…はい」

信じてみよう。グレンさんなら、どうにかしてくれるって。私だって本当は彼らと生きたい。彼らと一緒にいたいから。

その思いを胸に、グレンさんが見えなくなっても部屋のドアを見つめていた。


***



それから、数刻が経過した頃、とある場所で書物と睨めっこをしていたシャカは不意に顔をあげた。

「…」

「…どうか、されましたか?シャカ様」

「やっと、来たか」

男の言葉に、冷たくそう返すと書物を適当に置き、立ち上がる。周囲を見渡すように眺め、フッと鼻で微笑む。

その微笑に男は考える。そして、その微笑みの理由が分かったかのように言う。

「もしや、グレン様が…来たのですか?」

「あぁ…空間の結界を抜けたようだ。時期にあの扉の前に来るだろう。そうとなれば、歓迎せねば」

そう言うとシャカは歩きだす。その後を追うように男もあるく。


相変わらず、この世界には沢山の華が浮いている。いのりがいた時は彼女の力にあてられ、枯れてしまったが、今では元通りだ。

シャカが歩けば、その華はまるで彼の歩く道を作るようにばらけていく。

そうして暫し歩いた後、あの扉の前で足を止める。

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