二重人格神様~金と碧の王~
「察するに…もう、長いこと…いや、いのりが覚醒した時から変わっていない…そうだろ」

「……」

「やはり、そうか」

確かに、いのりが覚醒してから海鈴は一度も表に出てきてはいない。皆が、黙ってはいたが、それは今までに無かったことだ。

「海鈴の力はとても弱っている。それに比例するかのように、お前の力はとても強くなった。もう、海鈴は裏の存在となっている。いや、それだけじゃない…消滅してしまう可能性も皆無だ」

「…あぁ、以前は感じていた海鈴の鼓動は、もうほとんど感じられない」

「そうだろう。そうなったのも、いのりとお前のせいだ」

聞き捨てならない言葉だったのだろう?反らしていた視線をシャカに戻し、首をかしげた。

「なんだ、その顔は。もしや、無自覚だったのか?」

「…どういう、意味…だ」

「海鈴はいのりに力を奪われ、グレンはいのりの力を奪っていたんだ。最初は微量で差し支えなかったが、お前と交流するようになり、お前に奪われた自身の力をいのりが取り替えそうとより一層奪うようになってしまったのだ」

「……」

心あたりは沢山あった。そう、グレンは考える。そうか、そういう事だったと。それも、いのりが半神だったからだ。
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