二重人格神様~金と碧の王~
「少し前に、いのりに忠告をした」
「…え?」
「お前らの隙を狙い、会いに行ったんだ。その時に、半神である事と私の身分を明かした。そして、海鈴の存在が危ういことも伝えた。その事を聞かせ、私は選択肢を与えたのだ。どちらかを選ぶ…もしくは、どちらの存在を残すために、彼らから離れることを」
「……」
「キミにえらく執着していた半神がいたね?彼女があの剣を盗んだと分かってから、嫌な予感はしていたんだ。だから、早急に何か起こる前に決断をして欲しかった。それが、こんな事になるなんて…全く、母子揃って私を困らせる…」
額に手をあて、そのまま首を横にふる。
「だが、もう起こってしまった事をもとには戻せない。それに、これから起こる事も逆らえない」
「…それは、見殺しにするってことか」
「見殺しだと?グレン…こうなってしまったのはお前のせいだ。お前が、いのりを殺したも同然だ」
手を離し、冷たく言い放つシャカ。その目はとても鋭く迫力があった。グレンでさえも、息を飲めなくなるほどの気迫に言葉はでない。
「なぜ、守らなかった?言ったはずだ、守れと。なぜ、いまさら、私のところに来る必要があるのだ?私のところにいれば、こんな最悪の状態にはならなかったはずだ。この数日で、いのりの力が消えかかっている、それはお前がいのりの力を奪ったんだ。だから、海鈴が裏になってしまった…お前のせいだ、全て」
返す言葉は見つからなかった。グレンは黙ったまま俯き、手を力強く握る。