<短編>夢への片道切符
「そういえば、いつものって何ですか?」私は思い切って聞いてみた。

「いつもの・・・あぁいつものね。」そういうと老人はいたずらっ子のような笑顔で私に言った、「気になるかい?」

そりゃあ、気になるに決まっている・・・ここにはなにか秘密がありそうだし。

「気になります!」私は老人をじっとみつめた。

「そうか、じゃあそのいつものが来たら教えてあげるよ」
老人はそういうと窓の外を眺めていた。どこか遠くをみるように、悲しげな目で見ていた。

「そういえば、お嬢ちゃん名前は?」

「あ、言っていませんでしたね。宮野沙希です。ちなみに年は18、学校には行ってないですけど・・・」

私は中学で学校を辞め、いわゆる外れた道に進んでしまった。夜遊びなんて当たり前だったし万引きや煙草に酒もした。もちろん補導も何回もされた。
でも、私はある事がきっかけでその道から足を洗った。愛する人に出会えたから。

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