恐怖短編集
中卒という学歴ながら、家の手伝いをするのは簡単だった。


幼い頃から父親と母親の働く姿を見てきたし、私自身何かを作るということは好きだったから。


「見かけない顔だね」


「うちの娘よ。今日から手伝うことになったの」


「へぇ、偉いね。俺ここのパン大好きだから、頑張ってね」


それは、大人の男。


いままで私が見たことのないような、スーツ姿が似合う人。


長身のわりにとても細くて、短い髪の毛が爽やかな印象を強くしている。


加瀬祐樹という名前の男だった。
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