恐怖短編集
「出口はどこだよ」


東夜も、焦ったように辺りを見回す。


けれど、360度すべて同じ森。


その時、茂が二・三歩後ずさりし「嘘だろ」と荒い息を吐きながら呟く。


「どうした?」


そう聞き返し、東夜と孝も言葉を失った。


目の前には、大きな清水病院が建っていたのだ。


先ほどと同じように灯りがついていて、人影も見える。


だけど、確かに自分たちはこの病院を逆に進んでいたハズだ。


東夜は慌てて、近くの一番大きな木にライトをあてた。


この病院から歩き出す時に印をつけていたのだ。


「まさか……」


その木の後ろに回ると、そこには東夜が刻んだ十字の印。


「どうなってんだよ」


孝が眉を寄せ、東夜に聞く。
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