朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~
肌が、痛い。
きっと、表面に近い毛細血管は凍っちゃったんだ、って思った。
凍った血管が、内側からチクチクと刺さるんだと、本気で思った。
手の中で、びっくりするくらい大きく、携帯が。
鳴った。
誰?
哲?遼?婿様?
誰の着信でも、きっと怒られる。
私の指は、恐々と。
キーをひとつ、押した。
ゆっくりと当てた耳には、しばらく、何も聞こえなかった。
息を呑んだような、奇妙な間。
誰?
『………蜜?』
ああ…。
良かった、…哲だ。
「…ぅん」
もう、…駄目。
こんなに、安心してしまった。
哲の声に、止まっていた涙が溢れたほどに。
てめぇ!!!
と。
急に口汚く、怒鳴った声も。
馬鹿か!!
どこに居やがる!!
と。
こんなに怒った声なのに。
私はぐすぐすと泣きながら、涙って熱いんだ、体の中っていつまでもちゃんとあったかいんだなあ、なんて。
ひどく安心して、家からさほど遠くはないこの場所を、口にした。