朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~


ゆっくり立ち上がって。
ゆっくり歩いた。

哲は、特に支えてくれたり手を引いたりはしないけど、私に合わせて、ゆっくり、ゆっくりと。

部屋まで、連れ帰ってくれた。



途中で、婿様に電話をしているのを聞いて、私から連絡があったら知らせてくれるように頼んでいたことを、知った。



哲のコートは長くてブカブカで。

細身な哲よりも、自分が遥かに小さいことを、実感した。


階段を上がるときに、哲はまた、おぶってやるか?って訊いてくれたけど、リンゴの箱だって持ってあがるのイヤって言ってたし。


ギシギシと鳴るような足は、体験したことの無いほどにズキズキしていたけど、私は首を横に振った。



冷えって、女の大敵っていうけど、ほんとなんだね。


こんなに痛むなんて、知らなかった。



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