てのひらを、ぎゅっと。



俺と希衣はあの日を境に付き合い始めた。


でも希衣と付き合い始めて1ヶ月くらいがたった頃、心優が急に倒れて。


その時は、本当に頭の中が真っ白で、心臓が止まるかと思った。


グラウンドのサッカーゴールの前で横たわる心優。


俺はどこか遠くで、みんなの悲鳴をただぼんやりと聞いているだけだった。


何分後かに、大きなお馴染みの音を響かせながら学校へたどり着いた救急車。


何事かと、窓を開けてみんなで外を覗き込んでいる下級生。


そして、心配そうに口を覆いながら、心優を見守るクラスメイト。


その様子を見ながら、俺は不安だらけの心で決めた。


心優のお見舞いへ行こうと。


別に別れたからといって、お見舞いに行っちゃダメなんて………そんな決まりないだろ?


そうと決まれば、いらない不安は取り払い、俺は心優の入院している病院を早速探し始めた。


心優と仲の良い神楽に場所を聞いてみたけど、なぜか神楽は絶対に口を割らなかった。


何かが、おかしい。


胸騒ぎがする………。


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