てのひらを、ぎゅっと。


その放課後。


俺は担任に、心優の病院がどこなのか聞いてみた。


担任なら心優の搬送された病院を知ってるだろう、と思ったからだ。


すると神楽とは正反対に、担任はあっさりと俺に病院の場所を教えてくれた。


あぁ、ようやく心優に会える………。


胸をそっと撫で下ろし、夕日でオレンジ色に染まった教室を出ようとした時。


『やっぱり相川さん、病状があまりよくなくて、もう登校はできないらしいです…』


保健室の先生が、俺が出ようとしていた扉とは反対側から入ってきた。


そして担任に向かって確かにそう言った。


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