魅惑のハニーリップ
「あ、あの!! 佐那子さん、すみません!!」

 佐那子さんが座る正面まで歩み寄り、ペコリと頭を下げた。

「ど、どうしたの? そんなにあわてて」

「来る途中に、実は宇田さんから連絡があったんです」

「え? 聖二、どうかしたの?」

「なんかクレームがあったみたいで、クライアントのところに寄るから少し遅れるそうです。」

「えぇ!」

「すみません、佐那子さんに電話が繋がらなかったらしくて、私が伝言を頼まれてたのに、ここに来たら佐那子さんに見とれちゃって、言うのをすっかり忘れてました!!」

 私のその言葉を聞いて、佐那子さんがクスクスと笑みをこぼした。

「あはは。なんだか遥ちゃんらしいわね」

「ホントにごめんなさい!」

「いいわよ。それにこんな日にも仕事だなんて、それもすごく聖二らしいわ」

 佐那子さんはそういうと、綺麗な笑顔を一層大きくさせて笑う。

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