魅惑のハニーリップ
 佐那子さんが渡したのは………
 今まで佐那子さんが手に持っていた、豪華で綺麗なブーケだった。

「え?! 佐那子さん……これ……」

「遥ちゃんに」

「で、でも!」

「ここで聖二にプレッシャーかけようと思ったのに、肝心なときに聖二がいないんだよね。ほんとにタイミングが悪いんだから。まぁ、仕方ないわね」

 佐那子さんはキラキラとした笑顔を見せ、私の手にブーケを持たせる。
 その瞬間、涙があふれて両頬を伝った。

「こんな素敵なものいただけるなんて……思ってなかったです。佐那子さん、ありがとうございます。でも本当にいいんですか?」

「いいのよ。これは遥ちゃんにもらってもらおうって、最初から考えてたの」

「え?」

「次の仕事も頑張ってほしいし、何より……聖二といつまでも仲良くしててほしいの。そんな私の願いがこもってる」

 佐那子さんのその言葉で、また一層涙があふれた。

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